体験のデザイン: EC2022開催に寄せて
本シンポジウムは、エンタテインメントコンピューティング(EC)のための新技術、ECの新しい可能性、ECと人や社会とのかかわりなどをテーマとする学術会議として2003年より毎年開催され、本年が20回目になります。本年はテーマを『体験のデザイン』として、福知山公立大学(京都府)とオンラインでのハイブリッド形式で開催いたします。
コロナウィルスとともに生きる時代も3年目となりました。好む好まざるに関わらず、また行きつ戻りつの感染状況に翻弄されつつ、働き方や人と人との交流の仕方においての大転換に試行する日々が続きます。オンラインによる交流環境の急速な認知・普及は、その際たる変容の一つでしょう。オンライン中心の生活・仕事・研究環境が整備されていく中、エンタテインメントの世界でも着々と新しい技術革新が進んでいます。一方、人々の「直に会いたい、実物を体験したい」という渇望は、コロナ禍以前にもまして強くなっていくばかりです。
エンタテインメントは、まさに「人々が集まって体験や知識を共有する」コミュニケーションを前提として、長い歴史を積み重ねてきました。記録と通信に関する技術革新によって、体験のための距離と時間の制約についてはそれなりの自由が効くようになりました。このような状況を踏まえると、「体験すること」そのものに関してはリアルとオンラインそれぞれの環境に応じたデザインが必要で、ともにまだまだ発展の余地があります。
そこで、20回目となるEC2022では、リアル、オンラインそれぞれで実現しうる「体験のデザイン」をテーマとして、開催形態・発表形態・各種研究に関する知見・議論を深めるための場をハイブリッド形式で行います。「体験のデザイン」には複数の目的・ゴールがあり、多様な議論が可能です。もちろん、それに限定されない魅力的な提案も合わせて募ります。エンタテインメントコンピューティングの発展に向けて、未来を刺激しうる、皆さまの先進的かつ幅広いEC研究の発表をお待ちしています。
EC2022 実行委員長
福知山公立大学情報学部
橋田光代
EC2022 プログラム委員長
京都産業大学情報理工学部
永谷直久